春恋
「この間は別のゲーム諦めてましたよね?フッ」


少し暗がりとは言え見上げると分かるオーナーの微笑む顔。


「諦めた方が楽な事もあります。私はそれで良いんです。」


冷たく言い放って軽く彼を睨んだ。


チュッ


「え?」


一瞬近付いた影と離れた影。
サッと私の後ろで緩く束ねたシュシュを手早く取り去って逃げ道を塞ぐように両手で私の耳元に軽く手を添えた。

唇には柔らかい感触が残り咄嗟に唇を手で覆ったけど耳元から離れた片手で私の手首を握りゆっくりと唇から離されていく。


「どうして?オーナー?っつ…」


何も言わず嫌いなキラキラした瞳が近付いてまた唇を深く奪っては軽く離れてまた角度を変えて近付いてを繰り返す


「さあ、どうしてでしょう」


語尾に少しイラつきを含ませた感じで応えられて唇から離れた彼の唇は私の首筋にキスを落としていく
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