エリート極上男に堅物女で有名な私が何故か執着されています【完】 ~続編更新中~
「葵ちゃ~ん」
何だか仕事中の飯塚君と全然違う。
仕事だから当たり前だけど、こんなにふにゃりと笑う人だったんだと今さらながらに気がついた。
「は~い?」
普段冷たいと言われてきた私も表情を和らげる。
「結婚前にしたい事、ある?」
「うん、あるよ」
「なに?海外旅行とか?それとも同居したいとか?」
「ううん、あのね、普通に恋人同士でいたい」
「は、え?――――それは、どういうこと?」
「婚約しちゃってなんだけど、普通に飯塚君と付き合いたいよ。だってあなたのことなーんも知らないもん」
「知ってるじゃん」
「会社の同期としてはね?でも知らない事いっぱいだよ。どうして中途採用ではいってきたのかとか、それまで何してたのかとかさ」
「べつに、落ち続けただけだよ」
「絶対ウソだね、そんなことある訳ない」
あ、真顔になった。やっぱりこの話題は禁句なのかな?
そんな話をいつだったか聞いたことある。
「それに、どこの出身でどこの大学出たとかさ、あと家族の事も聞いたことないし・・・・」