エリート極上男に堅物女で有名な私が何故か執着されています【完】 ~続編更新中~
「うわっ!びっくりした!なになに?」
「――――おかえり」
「え、あ、料理作ってくれたの?マジで?」
「うん」
作ったというか、作りかけだ。
あの青年が帰った後、何も手がつかなくなってしまった。
「ぐえ、生煮えだし。こっちは煮つけ?」
「ううん、照り焼き―――のつもり」
「にしては緩い汁多めだな!ハハハッ」
ミヲ君はいつものように楽しそうに笑ってるけど、一言一言に小さな棘が刺さるようだった。
結局中途半端な料理たちは彼の手で修正がなされていつもの夕ご飯へと変貌していった。
「急にどうしたの?料理作ってくれるなんて」
「あ、うん―――」
だって今日はミヲ君の誕生日だったから。
それが言い出せなかった。