エリート極上男に堅物女で有名な私が何故か執着されています【完】 ~続編更新中~
「なーんか雰囲気変わったよねー、葵」
「ええー?そう?」
「うん、なんとなく前は顔が強張っていたっていうかさー、無表情に近かったのに――――彼氏できた?」
「できてないよ」
「んじゃあ恋してるんだ?」
「え?」
「え、それも違う?おかしいな」
「どの辺が変わったって言うの?」
「なんか、こう、口角をあげてニコニコするようになったって言うかさ~」
美幸は実演して見せてくれた。
その笑顔の作り方はミヲ君を思わせる笑い方だった。
「――――この年になってまでピリピリしてたら世間から切り離されるもん。そりゃあ愛想笑いもするよ」
「ああ~、ひっど~い。私とのディナーなのに愛想笑い使うんだ?ふーん、今日一日頑張ったのにな~。旦那君も子守りかってくれたのにな~」
そうやってワザとらしくぷんすかする美幸に慌てて謝った。
「みんな元気にしてる?」
美幸の旦那さんの河本君は比較的ミヲ君のそばで仕事していたはずだ。
だから彼の近状を少しでも聞けると思った。