エリート極上男に堅物女で有名な私が何故か執着されています【完】 ~続編更新中~
父方のお祖母ちゃんは息子であるお父さんを溺愛している。
長男って事もあって他のおじさんとはあからさまにその差は孫の私でも見て取れていた。
その長男に自分が持てる何もかもを有利に相続させようと思っていたが、子供が女の子である私だけということが気に入らずいままでチクチクと嫁いびりされていたんだそうな。
それで私が結婚して男子が生まれればその子に行くお金をあげてもいいとのこと。
お母さんは財産目当てなのではないそうだが、私が結婚する意志があるのならばお祖母ちゃんの攻撃も少しはマシになるのではと考えたそうな。
「私を売る気なの?」
「だから、会うだけでいいってば。それか相手に嫌われるように仕向けてくれて構わないから」
「いやいやいや、そんなの詐欺でしょう、お見合い詐欺だってば。名誉棄損とかに該当しない?」
「そんな大ごとにはないから大丈夫。なったとしても、あなたさえ黙っとけば罪に問われないから。そもそもさ、私はお義母さんが選ぶ男は可哀そうだと思って、私がちゃんとした人を見繕っていたのに、あなたは聞く耳持たないんですもの」
おいおいおい、そりゃないよお母さま。
私にとっちゃ母親でも祖母でも、誰かが選んだ男性をあてがわれる自体が嫌なんですけど?
こりゃダメだな。話にならない。
母はどこか壊れてしまったようなので、お父さんに相談したらこちらも祖母に何か言われた後なのか、「会ってみるだけあってみたらどうだ」と悪びれもせずに言われてしまった。
あんなに結婚は巡りあわせだろとか言ってくれていたのに。
本家の中で一番に権力を持つ祖母に歯向かう人間はいない。