エリート極上男に堅物女で有名な私が何故か執着されています【完】 ~続編更新中~
「今度お父さんも誘おうか?」
「お父さん、こういうの苦手かも」
「そうなんだ?じゃあ、どこか好きそうなところに三人で行こうよ」
「ええ~?いいよう、一人の時間が好きな人だもん」
「そうなんだ」
「ミヲ君のご両親は?こういうの好きなの?」
「うん、めっちゃ好きだね。自然が大好きで手作りに拘って食べ物を作ってる」
「きちんとしたお家なんだね」
「どうだろう?本人たちが好きでやってるだけじゃない?唯一夫婦が笑顔になる共同作業が食べ物を作るってことなんだと思う」
「夫婦でそんなことできるだなんて凄く素敵だね」
「葵がそう言うなら、来年どこかに畑借りて家庭菜園でもやろうか?」
「いいね、そういうの。一度でいいからやってみたかったんだ」
「じゃあ決定だね。」
「うん」
ミヲ君が話すたびに心地よい低音がボイスが私の身体に響き渡る。
それが嬉しいはずなのにどこか恥ずかしくて、照れくさくさいけど嫌いじゃない。
「葵が喋るたびに体に振動が伝わってくる。不思議だけど凄く心地いい」
「私も、同じこと考えてた」
こういう愛し方もあるのだなと、こんな年になって気がつく。
再会してから体の繋がりは一度もないけど、こういうことだけでも十分な気がする。