ゆっくり、話そうか。
壁にもたれて座る日下部の体を跨ぎ、身を乗り出すやよいのスタイルは馬乗りだ。
普段なら絶対誰にもさせない。
誰にも近付けさせない距離。
なのに、不思議と、やよいには嫌悪感はなかった。
あのキスの日と同じ…。
邪気や下心が全く無いから、だろうか。
そういう恋愛とか色恋は全く関係なく、ただただ不安で自分を気遣って咄嗟にやったということしか伝わってこないから、拒否するまでに至らないのかもしれない。
やよいのそういった心配は重々承知している日下部でも、こういうのは大変に困る。
嫌じゃないから余計に困る。
胸元のボタンをとめさせておいてよかった。
日下部は心底そう思った。
でなければ今ごろ前の乱れたやよいの胸元が目前にあるわけで。
ボタンをきっちりしていても、意識せざるを得ないというのに。
まるでやよいに迫られている気分になって、日下部もどこか落ち着かない。
触れるか触れないか、中途半端なやよいの指先がくすぐったい。
「どうしようっ、もうすぐテストやのに、これが原因で頭悪なってしもたら…。どうお詫びしたらええんやろか、私頭よくないからなんも教えられやんし…しかも、男前の顔に、顔に、とんでもないことやで。もしかして日下部ファンに殺られる?傷物にしたって私殺られてしまうんちゃう?でも仕方ないな、それだけのことしたんやし、男前は尊い。そこにおるだけで癒されるんやからな。でも、殺るんやったらあっさり中途半端にせんでほしい…。贅沢やろか…」
日下部の心情などまるで知るよしもないやよいは、本音全開心の声がダダ漏れになっていた。
ぶつぶつ念仏を唱えているようだ。
突っ込みどころが満載でどこから手をつればいいか分からない。
「俺頭いいから大丈夫」
「そう?かなぁ、それやっらええんやけど…」
額を充分確認し、今は頭だ。
普段なら絶対誰にもさせない。
誰にも近付けさせない距離。
なのに、不思議と、やよいには嫌悪感はなかった。
あのキスの日と同じ…。
邪気や下心が全く無いから、だろうか。
そういう恋愛とか色恋は全く関係なく、ただただ不安で自分を気遣って咄嗟にやったということしか伝わってこないから、拒否するまでに至らないのかもしれない。
やよいのそういった心配は重々承知している日下部でも、こういうのは大変に困る。
嫌じゃないから余計に困る。
胸元のボタンをとめさせておいてよかった。
日下部は心底そう思った。
でなければ今ごろ前の乱れたやよいの胸元が目前にあるわけで。
ボタンをきっちりしていても、意識せざるを得ないというのに。
まるでやよいに迫られている気分になって、日下部もどこか落ち着かない。
触れるか触れないか、中途半端なやよいの指先がくすぐったい。
「どうしようっ、もうすぐテストやのに、これが原因で頭悪なってしもたら…。どうお詫びしたらええんやろか、私頭よくないからなんも教えられやんし…しかも、男前の顔に、顔に、とんでもないことやで。もしかして日下部ファンに殺られる?傷物にしたって私殺られてしまうんちゃう?でも仕方ないな、それだけのことしたんやし、男前は尊い。そこにおるだけで癒されるんやからな。でも、殺るんやったらあっさり中途半端にせんでほしい…。贅沢やろか…」
日下部の心情などまるで知るよしもないやよいは、本音全開心の声がダダ漏れになっていた。
ぶつぶつ念仏を唱えているようだ。
突っ込みどころが満載でどこから手をつればいいか分からない。
「俺頭いいから大丈夫」
「そう?かなぁ、それやっらええんやけど…」
額を充分確認し、今は頭だ。