ゆっくり、話そうか。
今は違う。
日下部を想う気持ちが、やよいを求める気持ちが、お互いの唇を通して伝わってくる。
ずっとこうしたかった。
ずっとこうして、何の疑問も疑心暗鬼もなく触れてみたかった。
ずっと、欲しかったのだ。
こっちを見て、好きになって欲しかった。

「この方が誰かに見られずにずっとキスできる」

もう少し、いい?
そう訊かれれば断る理由などない。
何も言わずに頷いて、そっと瞼を閉じた。
考えてみれば、やよいから視線を逸らせたのは初めて。
逸らせるという表現が正しいかどうか分からないけれど、交わっていた視線が分断された最初がやよいだったことは未だ無かった。
こういう形で逸らされるのなら、問題ない。

「夢やったらどうしよう」

「そんなの俺の方が困る」

こんなに安らぐ想いが夢なら、この先どの温もりを宛に生きていけばいいのだろう。
大袈裟かもしれないが、それくらい手に入れたものの存在が大きかった。
気を抜けば依存してしまいそうなくらいに、二人にとっては掛け替えのないものが始まっていた。

夢じゃない証拠を刻もう。
離れてもその唇に残るよう、やよいにキスの嵐が降ってきた。























   *:..。o○☆ *:..。 oEND ○☆ *:..。o○☆ *
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