敏腕パイロットは純真妻を溢れる独占愛で包囲する
札幌の告白
 総司がパリから帰った次の日、目が覚めると総司はすでに出勤したあとだった。

 可奈子はひとりリビングから晴天の朝の街を眺めている。

太陽の光が腫れぼったい目に痛かった。

 昨夜可奈子は、身体がだるいと嘘をついて別の部屋でひとりで寝た。
どうしても彼と同じ部屋で過ごすのがつらかったからだ。

 身体が資本のパイロットに万が一でも病気をうつすわけにはいかないと告げると、なにが言いたげにしながらも彼は納得して頷いた。

 そして泣きながら眠りについたのだ。

次の日には全部夢だったということになりますようにと願いながら。
たくさん嫌な夢を見て、目が覚めたらやっぱり現実は変わらなくて、悪夢は続いている。

 さらにいうと、可奈子の総司に対する気持ちもまったく変わらないままだった。

 彼を愛してる。失いたくはない。

 窓のガラスに手をついて可奈子はぼんやりと外を見つめる。

 雲ひとつない晴れ渡った青い空。

 あの日、札幌の空もこんな風に晴れていた。
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