始まりはたぶん、ホワイト・ライ
Avoir 25 ans
社会人になってからの1年なんて、あっと言う間だ。

いつものように、仕事に疲れて帰ってきたら、マンション前で、友也が薔薇の花束を抱えて待っていた。

「友也!どうしたの?」

こんな風に待たれたら、怪しすぎて、誰かに通報されないか心配になる。

全く、相変わらず天然というか、マイペースなんだから…。

「どうしたの?って、もしかして自分の誕生日忘れてた?」

「あ…!」

そうだった。

人のことを言えやしない。

今日は25才の誕生日だった。

「まずはこれ渡すよ。全部で108本あるから」

「ありがとう…」

「食事、まだなんだろ?レストラン予約してあるから、行こう」
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