一夜限りと思ったワンコ系男子との正しい恋愛の始め方
その20. 好きです
きちんと気持ちを伝えたい。
この二週間ほど、美晴はずっとそう考えていた。先ずは付き合って、お互いを知り合うところから始めて欲しい。そう健斗に懇願され根負けした形でスタートしたけれど、自分の恋心を自覚した以上、この受け身な関係を変えていきたかったからだ。
でも、違っていた。美晴も健斗のことが出会った当初から好きだった。それに気が付かずに遠回りをしていた自分の鈍さに驚き、呆れ果てる。
「私、最初のころから健斗のこと、好きだったんだ」
思わず口から出てしまったが、健斗の動きが固まったの見てはっとした。
あれ、これって告白じゃない?
きちんとあらたまった気持ちでとか思っていたはずなのに、これだと色々とすっ飛ばしている。
「美晴さん、情報量が多すぎなんだけど……」
「うん」
美晴もそう思う。この言葉は健斗のことが今、好きだという前提があってのものだ。先ずはそこから仕切り直して話さなくては。
「えーっと」
きちんと話そうと思うものの、真っ赤になって口元に手をあて視線をさまよわす健斗を前に、なんだか美晴も照れてきた。鼓動が跳ね、なにを言えばいいのか分からなくなり、焦ってしまう。
「今言ったように、あの、健斗のことが好きです」
この二週間ほど、美晴はずっとそう考えていた。先ずは付き合って、お互いを知り合うところから始めて欲しい。そう健斗に懇願され根負けした形でスタートしたけれど、自分の恋心を自覚した以上、この受け身な関係を変えていきたかったからだ。
でも、違っていた。美晴も健斗のことが出会った当初から好きだった。それに気が付かずに遠回りをしていた自分の鈍さに驚き、呆れ果てる。
「私、最初のころから健斗のこと、好きだったんだ」
思わず口から出てしまったが、健斗の動きが固まったの見てはっとした。
あれ、これって告白じゃない?
きちんとあらたまった気持ちでとか思っていたはずなのに、これだと色々とすっ飛ばしている。
「美晴さん、情報量が多すぎなんだけど……」
「うん」
美晴もそう思う。この言葉は健斗のことが今、好きだという前提があってのものだ。先ずはそこから仕切り直して話さなくては。
「えーっと」
きちんと話そうと思うものの、真っ赤になって口元に手をあて視線をさまよわす健斗を前に、なんだか美晴も照れてきた。鼓動が跳ね、なにを言えばいいのか分からなくなり、焦ってしまう。
「今言ったように、あの、健斗のことが好きです」