最後の世界が君でよかった
帰りも翔太とちょっと気まずい雰囲気になってしまった。

でも、翔太はずっと話しかけてくれた。

「楓、もう卒業だな」

「そうだね」

「なんか久しぶりに会えたのにもうお別れって
 寂しいな」

「でも、家隣なんだしいつでも会えるじゃん」

私が言うと翔太の表情が曇った。

私はその一瞬を見逃さなかった。

でも、翔太はすぐにいつも通りに戻って優しい笑顔を向けて

「そうだよな、いつでも会えるんだもんな」

「うん」

それからは翔太も私も話しかけられなかった。

なんか翔太に悪いこと言っちゃったかな?

いつでも会える。

そう言ってから翔太の様子がおかしい。

なんで、この言葉がダメだったんだろう…?

事実を知るのはもうちょっと先の話。
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