最後の世界が君でよかった
気づけば全ての授業が終わり、帰りの時間。

「楓」

「うわっ、」

「なんだよ、名前呼んだだけだろ」

「ど、どうしたの?」

「どうしたの?はこっちのセリフ
 今更俺に緊張してんの?」

「別にしてないし、するわけないじゃん」

「まぁ、別にどっちでもいいけど
 早く帰ろ」

「あっ、うん」

なんで、翔太に名前呼ばれただけでドキッとしてんの?

帰ろって言われただけで嬉しくなってんの?

いつものことなのになんで今日だけ…?

昨日隼翔くんが来てからなんだか、おかしい気がする。

そんなことが翔太にバレないように必死に取り繕って平静を装う。

バカみたいだけど、これしか今翔太と一緒に入れる手段がない気がした。
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