エリート警察官は彼女を逃がさない
「征爾さん! 大丈夫ですか?」
「美緒、本当にごめん。でももう……痛っ」
彼女の涙を拭おうと手を伸ばして、痛みで顔を歪めた。
「無理しないで下さい。うちのかかりつけのお医者様に来ていただいてみてもらいました。それ……」
銃傷を見られたことを知り、俺は表情を歪めた。
「もう、すべて終わりにしてきたから。だから美緒、もう一度やり直させてくれないか?」
静かにそれだけを伝えた。