溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。
本当に、幸せそうな顔するなぁ。

僕まで、幸せで満たされて行く。


その時だった。


バーンッという大きな音がして、視線を移すと……。


花火が上がっていた。


「わぁっ……!綺麗ですね!」

「うん……そうだね」


花火なんかよりも、綺麗って言って見惚れてる真白の方が全然綺麗だし可愛い。


「……ねぇ、真白」

「?どうしましたか?」


ちゅっ。


「っ!」


微かに響いたリップ音。


「……すごい、甘いね」

「っ……!!わ、わたあめのせいです……!!」

「ふふっ、そっか。ねぇ真白、好きだよ」

「そ、そんなの私もに決まってるじゃないですかぁっ……!!」


恥ずかしそうに少し強がってそう言う真白。


そんな姿もまた愛おしい。


……来年も、再来年も……。

これから毎年、真白とここにきたい。

いや、絶対に来る。

鷹司も、七宮も、……やっかいなヤツはたくさんいる。

これからそいつらが僕たちの幸せを崩さないとは限らない。

……けれど……。

「真白、愛してるよ、これかもずっと一緒にいようね」

 
自然と溢れた幸せの笑み。


真白は「はい!」なんて元気な返事をして、また愛らしく微笑んだ。

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