揺れる水色*

彼視点

「あの、いきなりすみません。私、あなたと中学同じだったんですけど……」

 海を眺めていると、浅井さんに話しかけられた。

「あっ、知ってる。バスも一緒だったよね」

 僕はこう答えた。

 高校入ってすぐに自転車が壊れ、新しいのを買うまでの間、僕はバス通学をしていた。その間、浅井さんと同じバスになった。話をした事がなかったし、近くにいても気まずいかなぁと思い、離れた場所に立っていた。でもある日、近くに立つ事になった。それから毎日なんとなく彼女の近くにいた。いつもうつむいて、揺れるたびにふらふらしている。その姿を見て、少し心配になった。近くにいるとなんだか落ち着いた。話しかけようかなと思ったけれど、うつむいている理由が僕と話したくないからかも知れないという可能性があるからやめた。

 今、話しかけてくれた。話した後、彼女と途切れたくないから連絡先を聞いた。そして再びバス通学をすることに決めた。
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