先輩からの卒業


3年間の高校生活は今日、終わりを迎える。

着慣れた制服の胸元にコサージュが付けられているというだけで、特別な思いになり身が引き締まる。



卒業生代表の言葉に涙する者もいれば、先生の言葉に眠たそうにする者も。

皆それぞれの思いを馳せる。

出席番号順で着席しているから先輩は私の後ろ。

姿が確認できないのは少し残念だ。



それから、何度も歌った校歌や今日のために練習した卒業の歌を歌う。


どれもがもう二度とない瞬間だと思うと胸が熱くなった。




そして、私達は盛大な拍手に見送られながら列を作り退場した。



「ねぇ、写真撮ろ」

「絶対連絡してね」

校庭では別れを惜しむ生徒達の声が飛び交う。


中には緊張の面持ちで第2ボタンを貰う女の子達も。


「先輩はどこいったのかな?」

辺りを見渡すも先輩の姿は見当たらない。


もしかして、女の子達に囲まれてるんじゃ……。


先輩ならありえる。

そう思い、生徒達の輪を掻き分けながら進むと先輩の後ろ姿を発見した。




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