先輩からの卒業
「そういや、加恋めっちゃくちゃ大学エンジョイしてるらしいよ」
「え、先輩とよりを戻したかったんじゃ……?」
「違う違う。まじでホワイトデーのお返し返しに来ただけ。しかも、その箱見つけたた理由が彼氏と同棲始めるために荷物まとめてる時だって」
「そ、そうだったんですね」
「まぁ、幸せそうで何より」
「……先輩は幸せですか?」
なんてことを私が聞いてもいいのかわからなかったが、確認せずにはいられなかった。
「え、それ聞いちゃう?……幸せに決まってるだろ。隣に奈子がいるんだから。そういう奈子は?」
先輩の答えにホッと胸を撫で下ろす。
ずっと望んでいた先輩の幸せ。
「私も幸せです」
私がそう言葉にすると先輩は優しく微笑んだ。