雨降る日のキセキ
たった今華と目が合ったんだ。


取り巻きたちと一緒にほくそ笑んでいる。


「千紘、おはよう」


そんなところへ千隼くんがやって来て、大きな声で挨拶してくる。


「…おはよう」


「これやるよ。千紘が好きって言ってたお菓子」


……っ。


あの手この手で気を引こうとしてくれてるのがよくわかる。


でも…華に見られている。


受け取れないよ…。


「ごめん、トイレ行ってくるからついてこないで」


「……ごめん…」


私の好きなお菓子、ジュース、雑誌。


いろんなもので気を引こうとしてくる千隼くん。


華の見ている手前受け取れなくて、ギュッと心が痛む。


わけも分からぬまま避けられるなんて、傷つくよね…。


トイレの一番奥の個室にこもり、気持ちを落ち着かせる。
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