雨降る日のキセキ
髪も顔も制服も、ベチャベチャに濡れる。


体温を奪って生ぬるくなった水滴が止まることなく個室の外へ流れていく。


「チクッたら許さねーかんな」


吐き捨てるように言って、華たちはトイレを出ていった。


冷たい水が纏わりつく。


バケツの水が直撃した頭頂部がジンジンと痛んでいる。


「…っっ」


どうして私がこんな目に遭わなきゃいけないの…?


どうして…?


私は何もしてないのに…っ。


「っうぅ…っう…っ」


水か涙かも分からない水滴が幾度となく頬を伝う。


私がいったい何をしたっていうの…?


「もうやだよぉ…っ」


千隼くんは、私がどんなに無視しても冷たくしても話しかけてくる。


それだけでも心苦しいのに、どうしろっていうの…?


わかんないよ…っ。


わかんないよぉ…っ。


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