雨降る日のキセキ
―♪♪♪


どれだけ時間が経っただろう。


スマホの着信音が鳴った。


千隼くんからだった。


電話には出られない。


「ごめんね…千隼くん…」 


もうどうしていいか分からないの…。


着信を無視してトイレを出る。


制服はだいぶ乾いてきたから、もう帰ろう。


今日は誰にも会いたくない。


鞄は教室の中だけどどうだっていい。


足早に校門を出て、人目につかない道を歩く。


着信音はしつこく鳴り続けている。


もうすぐ2時間目が始まるからそのうち止むだろう。


この1週間、どれだけ千隼くんを傷つけただろう。


ろくに挨拶も返さず、部活中も素っ気無くして。


翔吾とは普通に話してたのに、千隼くんにだけ冷たい態度をとっていた。


きっと傷ついたよね…。


華から自分を守るために大切なチームメートを傷つけるなんて酷いよね…。
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