雨降る日のキセキ
でも…あの練習試合の翌日の華が怖くて。


千隼くんのことを考える余裕なんてなかった。


千隼くんが華になびかないことがハッキリしたあの瞬間が本当に怖かった。


「……ごめんね…千隼くん…」


こんな酷い人間でごめんね…。


いつかちゃんと謝らなきゃ…。


挨拶してくれたのに気づかないフリをした時の寂しそうな顔も。


投手陣の練習に顔を出さなくなった私を寂しげに見ていることも。


最近明らかに元気がないことも。


全部知っているのに。


「はぁ……」


もっと私が強ければ。

 
傷つくのは私一人で済んだのに…。
< 68 / 336 >

この作品をシェア

pagetop