雨降る日のキセキ
「朝陽くんなら何て言ってくれるかな…」


朝陽くんとよく遊んでいた公園。


そのベンチに腰を下ろし、ボーッと遊具を眺める。


学校で嫌なことがあったら、いつも朝陽くんに話していた。


それだけで心が軽くなって、遊んでるうちに嫌なことは全部忘れられた。


“ちぃちゃんと小学校が同じならなぁ。ちぃちゃんのこと守ってあげるのに。残念ながら学校が違うから、俺がいなくても大丈夫にならないとだめだよ”


本当に小さな子どもをあやすような態度だった。


それでも私はそういう朝陽くんが好きだった。


“また泣いてるじゃん。ホント泣き虫だなぁ”


頭を撫で撫でしてくれた時は本当に嬉しかった。


“これ、あげるよ。俺がいつも使ってるお守り。これ持ってたらいいことあるよ”


このベンチでお守りをもらった。


今でも大事に机の引き出しにしまっている。


朝陽くんからもらった最初で最後のプレゼント。


朝陽くんに会いたいな…。


朝陽くんと話ができたら、心が落ち着く気がするんだ。


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