友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
だれか…。

だれかっ…。


朦朧とする意識の中で、声にならない声で助けを呼んだ。



――そのとき。


「…そんなところで、なにしてんの?」


しんと静まり返った屋上に響く、突然の声。


わたしたち以外だれもいないと思っていたから、不良たちはギョッとして声がしたほうへ一斉に顔を向ける。


わたしも痛みに堪えながら、なんとか視線を向けると――。


屋上の出入り口の真上にある給水塔。

その陰から、だれかがむくっと体を起こした。


そして、出入り口のドアに足がかかりそうな格好で腰掛け、そこからわたしたちを見下ろす人物が――。


あれは…、一之瀬くんだっ。


「もしかして、あいつ…」

「…2年の一之瀬かっ!?」

「いつからあんなところに…!?」


どうやら一之瀬くんは、3年生の間でも名前と顔は知られているようだ。
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