黎明の剣
さっきまで歩いていた人たちがバタバタと倒れて動かなくなっていく。
四方八方に広がる刃に私の体は動かなかった。
ガタガタと小刻みに震える身体を落ち着かせようとするも、どうしようもなくぎゅっと目を閉じた。
「大丈夫だ」
掠れた声と共に、いつの間にか矢が空中を切る音は消えていて、私は誰かに抱き締められていた。
そっと目を開けるとガッチリとした男の人が、心配そうに私を見ていて何故かそれに酷く安心して、意識が一気に降下していった。