『始まったふたり。』最後から、始まる。ー番外編ー

ふたりで作ったご飯を

ふたりで食べた



歌笑は美味しそうにイチゴを食べた



ふたりでテレビを見て

ふたりで歯を磨いた



いつもひとりでしてること



今日は

歌笑がいる



オレの1日目の予定とは

大幅にずれたけど

今日1日楽しかった



あ、そろそろ例のセリフ言わなきゃ…



なんだっけ…

ベッドひとつしかないけど…

よかったら一緒に寝る?



なんか変だろ

普通ひとつしかない

ぜんぜん自然じゃない



そろそろ寝よっか

歌笑、先に寝ていいよ



なんか違うだろ

オレはどこで寝るの?



歌笑が自然とベッドの近くに座った



早く言わなきゃ

今がそのタイミングだろ



「ねー、杉山
卒アルこんなとこに投げっぱなしなの?
ちゃんと本棚にしまいなよ」



ベッドの近くにあった卒アルを

歌笑が見つけた



「あー、それ…
投げてあるわけじゃなくて…
毎日見てるから…」



「毎日?」



卒業アルバムの中に

オレの知らなかった歌笑が

いっぱいいた



1年の時も2年の時も

同じクラスだったのに



ホントに

ただのクラスメイトで

特別に見てなかった



「こっちに来てから思ったけど
オレ、歌笑の写真1枚も
持ってなかったな…って
だから卒アル見るしかないじゃん」



「え、毎日見てるの?」



「うん、ごめん
キモい?」



「ん…
別にキモくないけど…

私も高校の時
毎日杉山見てたし…

それに
さっきね
杉山のスマホの中に先生の写真あったの
ちょっと嫌だった
杉山、毎日この写真見てるのかな…って…

だったらまだ私の写真見てくれてた方が
恥ずかしいけどいいや」



「先生の写真なんか見てないし…
ごめん、歌笑が嫌なら消す」



「消さなくていいよ
私にも送ってよ
私も先生と赤ちゃんの写真ほしい」



「うん、後で送っとく…
歌笑の写真とってもいい?
あ、一緒に撮ろうよ」



「ダメ…
今はダメ…
ちゃんとメイクしてないし…ムリ…」



「そんな変わんないし
別に今もかわいいよ」



「そんな変わんないって、失礼だね
毎日30分以上時間掛けてるのに…
今もこのまま杉山の前にいるの
かなり恥ずかしいもん
もぉ、寝よう
杉山、電気消して…」



歌笑がベッドに入った



え、まだセリフ言ってないけど

ま、いっか

自然な流れ



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