クールな御曹司は離縁したい新妻を溺愛して離さない
「美波、無理をしたらダメだ」
彼は事あるごとに私の後をついて歩く。
洗濯物を持っていても、掃除機をかけていても心配だと言ってすぐに私から仕事を取り上げる。
「大丈夫です。もう安定期に入ったんですよ。先生も動きなさいって言っていますから」
彼から掃除機を奪うと部屋を片付け始めた。
段々とお腹が大きくなっている私を見るたび心配になるようだが、私はマンションに戻ってから嘘のようにつわりが消え、食事も取れるようになった。精神的なものもあったのかもしれないと今になってみると感じるところがある。
食事の支度が大変だろう、と私を外食に連れ出してくれるが今度は体重が増え過ぎてしまうのではないかと心配になる。
車を出すと今日は初めて一緒に行ったレストランへ連れて行ってくれた。
「修吾くん、いらっしゃい。あら、前に来た彼女よね? もしかして……」
「はい。妻の美波です」
「あらぁ。この前は貸切だなんて言うから主人と気合が入ってるわね、と噂していたのよ。まさか奥さんだなんて」
アットホームな雰囲気の奥さんで修吾さんとは仲が良さそう。
「美波です。よろしくお願いします」
「こちらこそ。修吾くんは食べるのが好きでよくうちに来れてたのよ。今でこそ忙しくなっちゃったけど昔は週4くらい来てたわ。さあ、座ってちょうだいね」
席へと促され、今日は1階の窓際へ案内された。
あの日は美味しいとは思ったけれど正直どんな味だったかよく覚えていない。そのくらい緊張していたことを思い出した。
初めて彼と食事をすると由梨子に服をコーディネートしてもらったのがずいぶん昔のように感じる。
「なんだか楽しそうだな」
「そうね。あの日あなたとご飯を食べるために朝から大忙しだったなぁって思い出したの。由梨子に洋服を借りて、あなたの隣に並ぶのが少しでも恥ずかしくないようにって」
「そうか」
「それなのに修吾さんは仕事のような話ぶりで、私に興味のかけらもなさそうだった。だから自己紹介しましたよね?」
「俺だって一緒にご飯を食べるって決めた時に緊張したんだ。だからつい口数も減ってしまって。電話だって緊張していたんだ。電話した時点で断られたらどうしようかと」
「そうだったんですね」
「仕事の連絡が来なければもう少し上手くやれたかも知れなかったがな」
笑いながら話す彼に私も微笑んだ。
「緊張してるようには見えなかったですよ。ただ、クールなイメージでしたけど」
話をしているうちにシェフが食事を持ってきてくれた。
「修吾! 結婚したんだって? 水臭いじゃないか。教えてくれたっていいじゃないか」
「あはは。でもデートにここに来たじゃないですか。後にも先にも美波としか来ませんから」
「美波さん、本当にこいつ見た目と反して遊んでないですから。真面目なやつなんてよろしくお願いします」
シェフが笑いながら話すのを彼は目を逸らしながら聞いていた。
一度キッチンへ戻るとデザートプレートを持ってきてくれた。
「これは私たちからのお祝いだ」
congratulation ! とチョコペンで書かれており、ジェラートやチョコレートケーキ、フルーツに飴細工が飾られていた。
「ありがとうございます」
あまりに素敵なプレートで写真を撮ろうとすると、奥さんが代わりに撮ってくれると言う。
「修吾くん、ほら隣に並んで」
修吾さんは私の隣に移動し、肩に手を回した。
「はい、撮れたわ」
「ありがとうございます」
「美波、俺にも送って」
私はすぐ修吾さんに送信した。
「これが初めての写真だな。これからはもっとアルバムがいっぱいになるくらい撮ろうな」
その言葉が嬉しくて、楽しみになった。
彼は事あるごとに私の後をついて歩く。
洗濯物を持っていても、掃除機をかけていても心配だと言ってすぐに私から仕事を取り上げる。
「大丈夫です。もう安定期に入ったんですよ。先生も動きなさいって言っていますから」
彼から掃除機を奪うと部屋を片付け始めた。
段々とお腹が大きくなっている私を見るたび心配になるようだが、私はマンションに戻ってから嘘のようにつわりが消え、食事も取れるようになった。精神的なものもあったのかもしれないと今になってみると感じるところがある。
食事の支度が大変だろう、と私を外食に連れ出してくれるが今度は体重が増え過ぎてしまうのではないかと心配になる。
車を出すと今日は初めて一緒に行ったレストランへ連れて行ってくれた。
「修吾くん、いらっしゃい。あら、前に来た彼女よね? もしかして……」
「はい。妻の美波です」
「あらぁ。この前は貸切だなんて言うから主人と気合が入ってるわね、と噂していたのよ。まさか奥さんだなんて」
アットホームな雰囲気の奥さんで修吾さんとは仲が良さそう。
「美波です。よろしくお願いします」
「こちらこそ。修吾くんは食べるのが好きでよくうちに来れてたのよ。今でこそ忙しくなっちゃったけど昔は週4くらい来てたわ。さあ、座ってちょうだいね」
席へと促され、今日は1階の窓際へ案内された。
あの日は美味しいとは思ったけれど正直どんな味だったかよく覚えていない。そのくらい緊張していたことを思い出した。
初めて彼と食事をすると由梨子に服をコーディネートしてもらったのがずいぶん昔のように感じる。
「なんだか楽しそうだな」
「そうね。あの日あなたとご飯を食べるために朝から大忙しだったなぁって思い出したの。由梨子に洋服を借りて、あなたの隣に並ぶのが少しでも恥ずかしくないようにって」
「そうか」
「それなのに修吾さんは仕事のような話ぶりで、私に興味のかけらもなさそうだった。だから自己紹介しましたよね?」
「俺だって一緒にご飯を食べるって決めた時に緊張したんだ。だからつい口数も減ってしまって。電話だって緊張していたんだ。電話した時点で断られたらどうしようかと」
「そうだったんですね」
「仕事の連絡が来なければもう少し上手くやれたかも知れなかったがな」
笑いながら話す彼に私も微笑んだ。
「緊張してるようには見えなかったですよ。ただ、クールなイメージでしたけど」
話をしているうちにシェフが食事を持ってきてくれた。
「修吾! 結婚したんだって? 水臭いじゃないか。教えてくれたっていいじゃないか」
「あはは。でもデートにここに来たじゃないですか。後にも先にも美波としか来ませんから」
「美波さん、本当にこいつ見た目と反して遊んでないですから。真面目なやつなんてよろしくお願いします」
シェフが笑いながら話すのを彼は目を逸らしながら聞いていた。
一度キッチンへ戻るとデザートプレートを持ってきてくれた。
「これは私たちからのお祝いだ」
congratulation ! とチョコペンで書かれており、ジェラートやチョコレートケーキ、フルーツに飴細工が飾られていた。
「ありがとうございます」
あまりに素敵なプレートで写真を撮ろうとすると、奥さんが代わりに撮ってくれると言う。
「修吾くん、ほら隣に並んで」
修吾さんは私の隣に移動し、肩に手を回した。
「はい、撮れたわ」
「ありがとうございます」
「美波、俺にも送って」
私はすぐ修吾さんに送信した。
「これが初めての写真だな。これからはもっとアルバムがいっぱいになるくらい撮ろうな」
その言葉が嬉しくて、楽しみになった。