クールな御曹司は離縁したい新妻を溺愛して離さない
もうすぐ7カ月。
この前打ち合わせでメリディアンホテルに行った時、たまたま修吾さんを見かけることがあった。仕事の姿を見る機会は少なく、数人を引き連れて先頭を歩く彼の堂々とした姿に思わず胸が高鳴った。
この人が私の旦那さんなんだ、と思うだけで毎日会っているのにドキドキしてしまう。
こんな素敵な旦那さんなのに家では心配症だったりするギャップも私はときめいてしまう。結婚しているのにまだ恋人のように甘い、蜜月のような生活の私たち。
あと3カ月で赤ちゃんが産まれてくるのはもちろん楽しみだけど、それまではふたりな甘い生活を楽しんでいる。

家に帰ると常に一緒にいて、食事の片付けもテレビを見るときも、寝るときも、片時も離れない。
ふたりだけでいられる時間を大切にしたいから家にいる時はずっと一緒だ。

ベッドに入るといつも私を抱き寄せ、キスをしてから眠る。

妻としての役割を求められていたあの頃とは違い義務でなくなった夫婦関係。
抱きしめられて眠るのはとても幸せだが、それでも満たされない。
義務ではなく欲しがって欲しいと思うのは贅沢なのかもしれない。
それに妊婦がそんなことを思うなんておかしいのかな?

「美波? どうしたんだ?」

なかなか寝つかない私を見て髪をすいていた。

「うん」

「心配事?」

「ううん」

私は彼に手を回し胸に額を擦り付けた。

「美波はどうしたんだ? 甘えたなのか?」

優しい声が私の耳元で囁かれる。
優しく髪をすく手がもどかしく感じる。
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