君との恋の物語-mutual affection-
留学
留学最初の1年は、かなり慌ただしく過ぎていった。
勉学に励む前に、まず生活環境を整えた。
それから、今度はこれから生活する環境を知ること。
この大学にはどれほどの学生がいて、皆卒業後はどうしているのか等だ。
本来なら留学前に調べていることだろうが、俺の場合はとにかく時間がなかった。
こちらの環境のことをいくら調べていても、大学に入れなければ意味がない。
そう思って目の前のことに集中してきた。
その反動もあって、こちらに来てから戸惑うことはたくさんあったのだ。
それでも、時間はどんどん過ぎていく。
課題の量も半端ではない。
とても一晩では終わらせられないような量が普通に出る。
だからこそ、大学の研究室や自習室はいつでも明るかった。
俺も、何度も心が折れかけながらも友達や教授、そして結に励まされて頑張ってきた。
漸く慣れてきた頃には1年が過ぎていたが、2年目で課題の量はもっと増えた。
まともな睡眠が取れない日が1週間続いたこともある。
それでも、辞めようとは思わなかった。
どんなに忙しくても学生同士のセッションにはいつも参加していたし、街のライブハウスにもどんどん足を運んだ。
自分の中の音楽が、外部からの刺激でどんどん成長していくのが自分でもわかった。
睡眠など、もったいなくて取っていられないくらいだった。
結果、学内で倒れて運ばれてしまった時には、さすがに結にも怒られた。
自分でももちろん反省した。
さすがに無理をし過ぎたんだ。
倒れたら、その時間も無駄になるので、睡眠だけは1日最低でも4時間は取ることにした。
すると、今度は体のコンディションが良くなってパフォーマンスもかなり上がった。
留学当初は絶対に終わらないと思っていた課題も、自然とこなせるようになった。
そうなると、しっかり体を休める時間を取ってもちゃんと成長できるとわかった。
というタイミングで、留学の終わりが見えてきた。
この辺りから、俺の考えに大きな変化が芽生えてきた。
それは、『アメリカでこれほどの環境下に身を置けているのに、日本に帰る必要はあるのか?』
という考えだ。
これは、結ともしっかり話し合わなければいけないと思った。
留学は基本的に2年だが、1年だけ延長することはできる。
ただし、そうなると日本での大学をどのようにするかを考えなければいけない。
2年で戻るのであれば、日本に戻って、そのまま大学を卒業できるが、1年延長するなら、日本での卒業も1年延ばすか、中退するかだ。
そうなると、そこまでして留学1年延ばす必要が……
いや、あるな。
ある。正直、日本の大学を中退にしてでも、ここに残る理由は、ある。
では、卒業後はどうする?
このままここで演奏活動を続けるのか?それとも日本に戻るのか…?
正直日本では全くと言っていい程実績を残していない。
留学帰りとはいえ、果たして俺に日本での仕事はあるのか?
いや、でも、卒業後もこちらに残るとしたら結は…
結の夢は、吹奏楽団での奏者となるか、あるいは指導者となること。
活動場所は、日本以外は考えていないだろう。
では…別れるのか?
いや、待て、ちょっと落ち着こう。
まずは、留学を伸ばすのか、日本に戻るのかだ。
これを、結と話合おう。
勉学に励む前に、まず生活環境を整えた。
それから、今度はこれから生活する環境を知ること。
この大学にはどれほどの学生がいて、皆卒業後はどうしているのか等だ。
本来なら留学前に調べていることだろうが、俺の場合はとにかく時間がなかった。
こちらの環境のことをいくら調べていても、大学に入れなければ意味がない。
そう思って目の前のことに集中してきた。
その反動もあって、こちらに来てから戸惑うことはたくさんあったのだ。
それでも、時間はどんどん過ぎていく。
課題の量も半端ではない。
とても一晩では終わらせられないような量が普通に出る。
だからこそ、大学の研究室や自習室はいつでも明るかった。
俺も、何度も心が折れかけながらも友達や教授、そして結に励まされて頑張ってきた。
漸く慣れてきた頃には1年が過ぎていたが、2年目で課題の量はもっと増えた。
まともな睡眠が取れない日が1週間続いたこともある。
それでも、辞めようとは思わなかった。
どんなに忙しくても学生同士のセッションにはいつも参加していたし、街のライブハウスにもどんどん足を運んだ。
自分の中の音楽が、外部からの刺激でどんどん成長していくのが自分でもわかった。
睡眠など、もったいなくて取っていられないくらいだった。
結果、学内で倒れて運ばれてしまった時には、さすがに結にも怒られた。
自分でももちろん反省した。
さすがに無理をし過ぎたんだ。
倒れたら、その時間も無駄になるので、睡眠だけは1日最低でも4時間は取ることにした。
すると、今度は体のコンディションが良くなってパフォーマンスもかなり上がった。
留学当初は絶対に終わらないと思っていた課題も、自然とこなせるようになった。
そうなると、しっかり体を休める時間を取ってもちゃんと成長できるとわかった。
というタイミングで、留学の終わりが見えてきた。
この辺りから、俺の考えに大きな変化が芽生えてきた。
それは、『アメリカでこれほどの環境下に身を置けているのに、日本に帰る必要はあるのか?』
という考えだ。
これは、結ともしっかり話し合わなければいけないと思った。
留学は基本的に2年だが、1年だけ延長することはできる。
ただし、そうなると日本での大学をどのようにするかを考えなければいけない。
2年で戻るのであれば、日本に戻って、そのまま大学を卒業できるが、1年延長するなら、日本での卒業も1年延ばすか、中退するかだ。
そうなると、そこまでして留学1年延ばす必要が……
いや、あるな。
ある。正直、日本の大学を中退にしてでも、ここに残る理由は、ある。
では、卒業後はどうする?
このままここで演奏活動を続けるのか?それとも日本に戻るのか…?
正直日本では全くと言っていい程実績を残していない。
留学帰りとはいえ、果たして俺に日本での仕事はあるのか?
いや、でも、卒業後もこちらに残るとしたら結は…
結の夢は、吹奏楽団での奏者となるか、あるいは指導者となること。
活動場所は、日本以外は考えていないだろう。
では…別れるのか?
いや、待て、ちょっと落ち着こう。
まずは、留学を伸ばすのか、日本に戻るのかだ。
これを、結と話合おう。
