ホ・ン・ネ ☆
「ちょっと、私、具合悪くなっちゃったから、これ食べたら帰るね」

「どうしたの紬? 食べたらお腹痛くなった? 大丈夫?」

「心配ありがとう凛。大丈夫だよ! ちょっと家で休めば良くなる」

 焼きそばを一気に食べて立ち上がった。
 これ以上ここにいたら、この三人に自分の嫌な性格の部分とか見られちゃう。

「じゃあ、俺、送るわ」
「いや、いい……」

 樹が言ってくれた言葉。普段ならすっと受け入れるけれど、私はそれを低い声ではね返す。

「えっ? 俺原因?」

「……」

 私は樹を一瞬睨むと、凛と湊に精一杯の笑顔を見せて、お祭り会場の入口まで走っていった。


 
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