俺の側にずっといろ、生涯お前を守る
「ああ、そう言うことですか」
「うん」
「おしゃべりに花が咲いてしまって、お見合いの時間に間に合わないと困るので、急ぎますね」
ゆかりさんは急いで、でも丁寧に仕上げてくれた。
「着物なんて成人式以来かな」
「今は着る機会がすっかり減りましたよね、はい出来ました」
「さすが、ゆかりさん」
「良かったです、間に合って、あっ、ボディーガードさんにここまで来てもらいましょう、まりえさん、ちょっと待っていてください」
ゆかりさんは真山さんを迎えに行ってくれた。
ゆかりさんは車のガラスをトントンと叩いた。
俺は車から降りた。
「真山くん?」
「ゆかり」
「まりえさんの支度が出来たから迎えに来てくれる?とっても綺麗よ」
「ゆかりがまりえさんの担当美容師さん?」
「そうよ」
俺はゆかりについていき、まりえさんを迎えるべく上がって行った。
美容室に入ると、着物姿のまりえさんに見惚れてしまった。
「やだ、真山くん、まりえさんに見惚れちゃったの?」