俺の側にずっといろ、生涯お前を守る
「まりえさん、大丈夫ですか」

「うん、大丈夫」

「すみません、まりえさんの本意ではないと思いますが、この人混みを抜けるまで我慢してください」

真山さんに抱き抱えられていることは、私の望みだよ。

そう言いたかった、でも言えなかった。

やっと人混みを抜けて、公園のベンチに腰を下ろした。

近くに自動販売機があり、私は飲み物を真山さんに頼んだ。

俺は頼まれた飲み物を買うため、まりえさんを一人残して、自動販売機に向かった。

この時目と鼻の先くらいの距離に油断した。

昼間から酒を飲んでいる不労者がまりえさんに近づき絡んできたのだ。

「ようよう、姉ちゃん、俺と飲もうぜ」

「結構です」

「お高く止まってねえで、楽しもうぜ」

そう言ってまりえさんの腕を掴んだ。

不労者は酔っているためバランスを崩し、まりえさんを押し倒す体勢になったのだ。

「いや、助けて、真山さん」

俺はまりえさんの助けを呼ぶ声にまりえさんの元に急いだ。

「やめろ」

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