俺の側にずっといろ、生涯お前を守る
第八章 一夜の秘め事
俺は不労者をまりえさんから引き離し、まりえさんを抱き起こした。

不労者は「悪い、悪い」そう言ってその場を去った。

「まりえさん、大丈夫ですか」

まりえさんは俺に抱きついて泣きじゃくっていた。

このまま放っておくことが出来ず、俺はまりえさんを抱きしめた。

俺がついていながら何たる失態だ。

しばらく経って、まりえさんが落ち着きを取り戻した。

「申し訳ありません、自分がついていながら大失態を犯しました」

「大丈夫、私がもっとちゃんとしていればいいのに、お父様が心配するのは当たり前ね」

「もうこんな思いはさせないと約束します、十年前にもそう思って、そのためにボディーガードになったのに、俺は……」

溢れる思いをそのまま口にしてしまった。

「十年前何かあったの」

まりえさんの言葉で、我にかえり「なんでもないです」と言い訳したが後の祭りだった。

「教えて、何があったの」

俺は仕方なく十年前からまりえさんを知っていたことだけ話した。

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