俺の側にずっといろ、生涯お前を守る
「この間も話しただろう、彼はボディーガードだ、お前を守ってくれるのは仕事だからだぞ」
「違います、私と亮は昨日愛を確かめあったんです」
「だから、お前は世間知らずなんだ、男は愛がなくとも女を抱けるんだ」
「そんなことはありません」
私は自分の部屋に入った。
すぐにでも亮に抱きしめてほしかった。
私はスマホを握りしめて、亮に電話をかけた。
しかし、いくら呼んでも亮はスマホには出なかった。
その頃、お父様が先に亮に連絡して、私とのことは諦めるように手を回していたのだ。
「真山くん、まりえは小出ホールディングスを継ぐ立場にある、小出ホールディングスを任せられる男性と結婚させる、君はその立場ではないことくらいわかっているね」
俺は何も返す言葉がなかった。
「それに、君には可愛らしい妹さんがいたね、ちゃんと妹さんを守ってあげなさい、この言葉の意味がわかるだろう」
俺はまりえさんを諦めることしか選択肢はなかった。
俺はまりえさんからの着信に出なかった。