俺の側にずっといろ、生涯お前を守る
もう一度帰り道を考える、やっぱりわからない。

私は観念して真山さんに聞いた。

「どっちに行けばいいの?」

真山さんは咄嗟に答えてくれた。

「右です」

私は右に曲がった。

そしてやっと会社にたどり着いた。

会社の入り口で後ろを振り向くと、真山さんがじっと私を見守っていてくれた。

お礼を言わないと、私は彼の方に歩み寄った。

「どうなさいました」

私は彼の目の前に立って「ありがとう」そう言って会社のビルに入っていった。

俺は真山亮、仕事はボディーガード。

今回の依頼は小出ホールディングス社長令嬢、小出まりえ三十八歳のボディーガードだ。

世間知らずのお嬢さんは無謀にも一人暮らしをしたいと言い出した。

予想を遥かに超える世間知らず振りだ。

しかも、気に入った物件がないからと、俺のマンションに住むと言い出した。

一体何を考えているか、全く理解不能だ。

仕事が終わり、俺はビルの出入り口に車をつけた。

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