俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
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その週の土曜日──
春多くんと2人、マンションのエレベーターの中。3階のボタンを押した。
「俺は謝罪はしない方がいいと思うよ。謝ったら自分の不貞行為を認めた事になるからな?」
「……分かってるけど。私はちゃんと謝りたいの」
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(Michi)
わぁ、嬉しいです!
旦那さんと遊びに来てくれるなんて、
土曜日、楽しみにしてますね!!
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「それって、自己満だろ?相手は謝られて逆上するかもしれないし」
自己満。そう言われてしまうと、確かに謝ってスッキリして自分が楽になりたいだけなのかもしれない。
唇を噛み締めて足元に向けていた顔をパッとあげた。
「でも……、他にどうしたらいいの?メッセの通知も凄いし、ミチさんは、私が不倫相手だったってきっと知ってるんだよ?」
「その香川の奥さん、前に死産してるんだろ?あんたが妊娠してるのは相手にとって不快でしかねーよ」
「……分かってる」
「今回の妊娠してるってのも、嘘かもしれねーんだろ?」
「分かってる!」
「あんたを傷つけたり、危害を与えるかもしれねーし……まぁ、そんなことがあったら俺が守るけど」
「……春多くん」
今は、この春多くんの優しさも、胸に痛い位に突き刺さって苦しくて堪らない。