あなたと生きたい

第一章〜六話〜

ボウ然と『指』を見つめたまま、もう二時間はたっただろう。今井に理由などわかるはずもなかった。ただ本能的に、『隠さないと犯人にされる!』
そう思った。
考えたあげく、庭に埋める事にした。今井の部屋は一階で、小さな庭が着いている。外で張り込んでいる刑事に気付かれないように、穴を掘ってビンを埋めた。部屋に戻り、もう一度よく考えた。(イタズラにしては、残酷すぎる!)
今井は人に恨まれるようなタイプではなかった。考えるほどわからなくなるだけだった。やがて、日が昇り夜が明けた。結局、一睡もできずに、出社するはめになった。
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