白馬の王子と風の歌 〜幼馴染は天才騎手〜
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 ハルマとのつきあいがはじまったのはいつだったか、正直よく覚えていない。たぶん、十五年以上は前に遡るだろう。物心がついた頃から傍にいて、なにかと遊んでいた記憶がある。
 たぶん、お互いの両親の仲がよくて、そこから交流が生まれたのだろう。ハルマもあたしの父親も大の競馬ファンだから、子どもが生まれる前から知り合っていた可能性は大いにある。

 あたしたちが生まれ育った町には地方競馬場があり、平日の朝から夕方までほぼ毎日のようにレースが開催されていた。子どもは馬券を買えないけれど、夏休みや冬休みの平日に父親に連れられてレースの予想をしたり、颯爽と走る馬の姿をハルマと一緒に見ていたものだ。地方競馬は中央競馬と異なり土日が休みだから、土日はテレビの画面から重賞レースを毎週のように楽しんでいた。
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