紳士な副社長からの求愛〜初心な彼女が花開く時〜【6/13番外編追加】


「メイク、やる気になってくれて嬉しかったです」


私から解放された珠理ちゃんが、へへ、と照れくさそうに笑う。


「……うん。珠理ちゃんのスパルタ指導のもと、これから頑張るよ」

「だからスパルタじゃないですって」

「ははっ。ーー珠理ちゃん、何か、手の掛かる先輩でこめん」


眉を下げてそう呟けば、珠理ちゃんが可笑しそうに笑う。


「ふふ、ほんとですよ。でも手の掛かる子程可愛いって言うじゃないですか。あの佐原も、灯さんのこと何だかんだ気にかけてますからねぇ。あ、そうだ、手の掛かるついでに、この後最後にもう1つ、付き合ってもらいますからね?」

「……うん、もうどこにでもついて行きます」

「でもその前に、下着はちゃんと買いますよ?」

「……うっ……、はい……」


ーー1人だったら、きっと私はまだうじうじしたままだったと思う。

だけど、いつもと様子の違う私に気づいて、心配して話を聞いてくれて。こんな私のことをこうやって気にかけて、背中を押してくれる人がいる。



ーーだから、うじうじするのはもうやめる。



自信がないと嘆く前に、まずは自分に自信が持てるようになるための努力をしよう。そう決めた。




それからランジェリーショップに戻り、私は生まれて初めてお胸のサイズを測ってもらって(無駄に緊張して冷や汗を掻いたけど)2セット程下着を新調した後、珠理ちゃんに最後の場所へと(いざな)われたのだった。
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