紳士な副社長からの求愛〜初心な彼女が花開く時〜【6/13番外編追加】

「……あ」

「やぁ、こんにちは」

「……こんにちは」


なのにあれから2週間後。再会の日は、意外とあっさり訪れた。


今日も今日とてふじさわ食堂にランチに訪れれば、生憎の満席状態。

なのにおばちゃんに「おや、良いタイミングで来たね!相席でいいかい?」なんてにこにこ言われて、いやおばちゃん、これはむしろバッドタイミングじゃなかろうか、と思いながらも今日絶対食べると決め込んできた生姜焼き定食を早々と注文。

そして案内された席にいたのが何とあのイケオジで、そこで初めて私はおばちゃんの"良いタイミング"の意味を理解した。


「また会えたね」


彼は今日もスリーピースのスーツを着こなし、あの時と同じ屈託のない顔で笑う。


ああ、私の身にも起こっちゃったよ、王道展開が……。


なんて驚いている場合ではない。直接言える機会に恵まれたんだ、ちゃんとあの時のお礼をせねば。


「あのっ、先日は私の分までお支払いいただいてありがとうございました。ごちそうさまでした!」


テーブルの傍らに立ったまま私はペコリと頭を下げた。


「ああ、さっきおばちゃんからも伝言をもらったよ。あれは、楽しい時間を過ごさせてもらったことへのお礼。こちらこそありがとう」


ふわりと笑ったイケオジは、さ、あかりちゃん座って、と私を促す。
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