紳士な副社長からの求愛〜初心な彼女が花開く時〜【6/13番外編追加】
ーー分かっている。
こんなタイミングで告白したって、断られるであろうことは火を見るより明らかだ。
もちろん、嫌われてはいないと思う。
でもこの1ヶ月半、彼女の中で僕は、ただ週に1回ランチを共にするだけのオジサンという認識でしかなかっただろう。
何せ、僕と灯ちゃんにはひと回り以上の歳の差がある。
そんな僕から告白されても、彼女がOKなんてする訳がない。
そもそもそういう対象として見てもらえていないのだから、土俵にすら上がれていないのだ。
だからこそ、僕はここで断られて終わらせるつもりはなかった。
3ヶ月。3ヶ月でいい。
僕が灯ちゃんをそういう意味で好きだと知ってもらった上で、僕に、チャンスをくれないか?
『……灯ちゃん。了承してくれないなら僕はこのまま灯ちゃんにキスしちゃうけど。いいの?』
戸惑う彼女に、そんな風に強引に迫って手に入れたお試しの3ヶ月。
ーーこの時の僕は、それでもダメだったら潔く、優しく彼女の手を放すつもりでいたし、放せると思っていた。
思っていたのにーー。