紳士な副社長からの求愛〜初心な彼女が花開く時〜【6/13番外編追加】
ルームワンピースの裾から和泉さんの手が侵入して来る。
 

「あっ、ちょ、待っ……!」

「ん、ごめん。今日はもう、ベッドまで行く余裕がない」


露わになっていく太腿が外気に晒されて一瞬ヒヤッとしたけれど、彼の手がその太腿から脇腹を辿り、背中に回ってブラのホックを外し到達した胸でやわやわと形を変えるように遊び出せば、全身があっという間に熱に支配されていく。

徐々に間断なく与えられる容赦ない責め苦に嬌声は止まらず、それに反応して時折ビクン、と腰が跳ね上がる。

強かにアルコールが入っているせいで、いつもよりもさらに敏感になっている自分が恥ずかしい。


「やっ……!もう……っ!」


その反応で私の状態を察した和泉さんは、私の胸元でペロリと自分の唇を舐めた後清艶(せいえん)に微笑んで言った。


「……ん。じゃあ灯ちゃん、呼んでみて?」


でも羞恥を感じる心とは裏腹に、快感に忠実な身体は和泉さんに作られた。 


「はぁ……っ、きょ、うかさんっ……」

「はい、よく出来ました」

「あっ……!」


ご褒美とばかりに与えられた快楽に、私は飲み込まれていく。


「灯ちゃん。もっと気持ち良くなるためにはどうすればいいか、分かる?」


ちゅ、と目尻にキスを落とし、艶やかな微笑を浮かべ私を見下ろしている和泉さんを前に、彼が情事の時に発動するいじわるモードになっていることを知る。

でも、もはや今の私にそれに抗える術があるはずもない。
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