紳士な副社長からの求愛〜初心な彼女が花開く時〜【6/13番外編追加】
「そうですよ?灯さん素材が良いんですから、ひと手間掛けたらこんなに可愛くなるんです!」
「かわっ、可愛い……⁉︎」
「はい、可愛いです!」
満面の笑みで誇らしげに胸を張る珠理ちゃんが、今度は自分のバッグからガサゴソと何かを取り出す。
「そして最後の仕上げ!これは私からのプレゼントです」
と言ってもプチプラですけどね、そう悪戯っぽく笑いながら珠理ちゃんは、私の耳にイヤリング、胸元にはネックレスを手際良くつけてくれた。
「えっ⁉︎珠理ちゃんこれどうしたの⁉︎」
「へへ、さっきランチの後買って来たんです」
「……わざわざ⁉︎」
「だって、イケオジのデートに行く灯さんを綺麗にして送り出すのは私の念願でしたから!本当はチークとかアイシャドウも私のじゃなくて灯さんに似合うの選びたかったんですけどね。さすがに時間足りませんでした」
「そりゃそうでしょ……!」
だってちょっと寄りたいところがあるからと珠理ちゃんと別れた時、すでにお昼休みの残り時間は20分もなかったはず。
午後の業務開始時間ギリギリに帰って来た珠理ちゃんが、まさか私のための買い物に行ってくれていたとは思いもしなかった。
フロントに小さなコットンパール1粒と、後ろから伸びたゴールドのラインがシャラリと揺れるモチーフのイヤリングに、同じくコットンパールが横に3連連なったネックレス。
普段アクセサリーもつけない私だけれど、私の耳と胸元に彩りを添えてくれているそれらはすごく可愛かった。