紳士な副社長からの求愛〜初心な彼女が花開く時〜【6/13番外編追加】
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「おおっ、この仔羊のコンフィもめちゃくちゃ美味しいです!」
「良かった、気に入ってもらえて。僕の好きなもの、灯ちゃんと共有出来て嬉しい」
そう言って和泉さんが顔を綻ばせる。
「毎日でも食べられますね、これは」
「お望みなら毎日でも食べさせてあげるよ?なんてね」
「いやいや、和泉さんが言うと何か冗談に聞こえないですから、それ」
「はは……っ」
私が苦笑しながら言うと、和泉さんが破顔した。
和泉さんが連れて来てくれたのは、住宅街の路地裏にひっそりと佇むカジュアルなフレンチレストラン。
彼がよく1人で足を運ぶというそのお店は、ブラウンを基調とした壁に蔦の絡まるシックな外観。
店内はフレンチカントリー風のアットホームな雰囲気で、普段フレンチなんて食べ慣れない私でも変に萎縮することなく楽しめている。
これがもし仮に格式高い本格フレンチとかだったら、間違いなく私は雰囲気に飲まれて食べることを楽しめなかったと思う。
和泉さんが私に苦手なものはないか、ワインは飲めるかなど確認しながらスマートにオーダーしてくれる姿を見て、当たり前だけどこういう雰囲気がすごく良く似合う人だなぁと思った。