紳士な副社長からの求愛〜初心な彼女が花開く時〜【6/13番外編追加】
「あ、そうそう灯ちゃん。皇はね、比呂くんのお兄ちゃんなんだよ」
「……えっ⁉︎そうなんですか⁉︎」
「うん。間にもう1人いるけどね」
ここでまさかの情報に驚く。
でも確かに言われてみれば比呂さんも名字が篠原だったし、よくよく見れば目元の雰囲気なんかもちょっと似ている気がする。
飲食店経営イケメン兄弟……。なんかすごいな……。
「つーか灯ちゃん、もう比呂にも会ってんの?」
「深町さん、ね?店にはまだ行ってないんだけど、この前デリバリー頼んだ時にちょっと、ね」
「は?デリバリー?あいつの店やってないだろ、デリバリー」
「はは、そうなんだけど、頼んじゃった」
「……相変わらず強引だな、お前は」
和泉さんが全く悪びれる様子もなく答えるから、篠原さんがまた苦笑した。
その後、
「こいつが泣かせたお詫びに」
そう言った篠原さんからデザートの盛り合わせがサービスされて。
それを2人で有り難く頂戴し、パンパンのお腹で篠原さんにお礼をしてお店を出る頃には、私の足は完璧な千鳥足だった。