消えないで…僕の初恋



言い切る前に
口を塞いで良かったぁ。

私は安堵の息を吐く。


でも渚くんは
私の異変に気付いたみたい。


「姫野さん、どうかした?」

なんて心配されちゃった。



「ななな…なんでもないの」


私は動揺をごまかしたくて

渚君の手から
ファイルを引っこ抜いちゃった。



強引すぎたかな?


怖い顔で
ファイルを奪い取るみたいに
なっちゃったし。



「僕が返してくるのに」


「いいよ」


「じゃあ僕も一緒に、資料室に行くよ。
 二人の方が
 早く片付けられるでしょ?」


「大丈夫大丈夫。
 私一人で平気だよ」



渚くんと二人きりなんて
夢みたいな話だけど


ドキドキバクバクな
心臓の状態で
渚くんと行動したら

私また
とんでもないことを
口走ってしまいそうだもん。



平常心の時じゃないと
二人きりは無理。


自分の暴走
予測不能で怖すぎだし。


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