もしも半分生きた人生をやり直すことができたら。
でも決して妹を嫌いになることはなかった。
妹からの相談は進んで聞いたし、妹の力になれることがあればと、何でも行動に起こした。

「お姉ちゃんってやっぱり頼りになるな」
「紫月を大切にしてあげなさい」
「守ってあげなさい」
「傷つかないように接してあげて」
「理解してあげて」

いつしかその言葉たちはわたしの首を絞める呪いの言葉になり、幼少期からそれが当たり前の環境下で育ったことで、気づいた時には苦しいとき、悲しいときに家族を頼ることができなくなっていた。

“両親は心配すらしてくれないかもしれかい”
“聞いてくれないかもしれない”
”お姉ちゃんなのに、頼りにならなかったら…”
”もういらない人間になってしまったら…”

頭の中にいろんな考えや思いが巡って、息ができなくなってしまう。
家族にどう接したらいいのか、分からなくなっていた。

「……だいじょうぶ！」

いつしかその言葉と薄っすら目を閉じて口角を上げることで全てを片付けるようになり、家族の輪へ入ることを避けるようになった。

こころが苦しくなり始めたことに気づいたのはわたしが中学1年生の頃からだった。
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