いちごとレモン
お昼休み、私は先輩に渡すためのいちごタルトを持って先輩の元へ。
先輩は私を直ぐに見つけてくれた。
「待ってたよ。行こうか」
先輩はそう言って調理室へ向かった。
「調理室って勝手に使っていいんですか?」
「うーん。本当はダメだけど元部長の権限ってことで」
ニカッと笑った先輩
可愛い……。
「あの、先輩!これ、食べてください!」
私は先輩にいちごタルトを渡した。
「ありがとう」
そう言って受け取ってくれた先輩は目の前で食べてくれた。
「うん。美味しい。この甘さ加減絶妙だね」
先輩に褒められた!
嬉しくて飛び跳ねそう!
「あの、ありがとうございます!
先輩のおかげです!
今まで教えてもらったこと詰め込みました!」
先輩がいたからここまで頑張れた。
先輩に食べて欲しくて。
でもなんだか今のセリフって…
「なんだか最後のお別れみたいだね」
私も同じことを考えてた。
寂しい。すごく。
「でも自由登校だけどちょくちょく遊びに来るから。最後じゃないよ」
ふわりと笑った先輩。
「…そうですよね!会えるの楽しみにしてます!」
そしてなんとか、卒業までに私は思いを伝えたい…
結果はどうなっても、先輩に伝えたい。
せめて、連絡先だけでも今…
キーンコーンカーンコーン
「あ。予鈴がなっちゃったね。
美味しかったよ。ありがとう。」
……タイミング悪すぎ…。
「あの、先輩!」
「私また会えるの楽しみに待ってます!」
私がそう言うと
「じゃあ毎日でも来ようかな」
そう言って笑った
…ぜひ、お願いします!