ある日、マンガ家が落ちていて
「たとえば、ルナちゃんの前にすごく素敵な男性キャラが現れて。リアルな主人公だったら、ちょっと他もいいな、と思うのもアリでしょう。でも、やっぱり、色々あっても相模さんが好き、っていうところに落ち着くルナちゃんが見たいです。一途で一本気。それこそがルナちゃんだと思うから」
一気に言ってしまってから笹岡を見た。笹岡は顔をくしゃっとさせて笑った。今日、見た中で一番、いい笑顔だった。
「ありがとう。…僕はどうしてもルナの産みの親なので、過保護なところが出てるのかもしれない、と踏ん切りがつかなくて。僕も、大杉さんの言う通りだと思います。どんなに格好いいキャラが出てきても、最終的には相模を選ぶ。それが、ルナです」
あゆみは、目をキトキトさせた。自分が役に立てたことが誇らしかった。自分が大好きなマンガを構築する一要素になったと思うと、深い感動があった。思わず高揚してきて、こんな事も言ってしまう。
「じゃ…読者が、ひょっとしたらルナちゃんが心変わりするかも、って勘違いしちゃうような魅力的な男性キャラを考えませんか?もちろん、最終的には、相模さんを選ぶんだけど、ぎりぎりまで迷ってしまうようなナイスガイを」
「いいですね。生の読者の意見が聞けることもなかなかないし。ちょっとやってみましょう」
笹岡は、リュックの中からノートとペンケースを取り出した。
「!そのノートに、もしかして、次回作のネームが描いてあったりとか?」
目をキラキラさせて、あゆみは、笹岡を見た。
「ダメです。いくら大杉さんでも、読者にネームは見せませんよ。企業秘密です」
ちぇっ、とあゆみは、少し落胆した。しかし、笹岡は全く気にせず、まず外見なんですが…と空いたページに、さらさらと男性キャラを描き始めた。
ぎゃー!目の前で、笹岡ユキジが絵を描いてる!あゆみのファン心理は爆発しそうになる。声をあげそうになるのを、必死の思いで止める。
それから、一時間ほどは、新しい男性キャラについて、ああでもない、こうでもない、と二人でアイデアを練りあった。
やっとキャラが八割がたできあがってきた時、店員から「そろそろ閉店なんですが…」と言われた。
我に帰って、笹岡と顔を見合わせる。帰りますか、そうしましょう、となり二人で店を出る。
「閉店です、と言われてよかった。終電逃しちゃうところでしたね」
一気に言ってしまってから笹岡を見た。笹岡は顔をくしゃっとさせて笑った。今日、見た中で一番、いい笑顔だった。
「ありがとう。…僕はどうしてもルナの産みの親なので、過保護なところが出てるのかもしれない、と踏ん切りがつかなくて。僕も、大杉さんの言う通りだと思います。どんなに格好いいキャラが出てきても、最終的には相模を選ぶ。それが、ルナです」
あゆみは、目をキトキトさせた。自分が役に立てたことが誇らしかった。自分が大好きなマンガを構築する一要素になったと思うと、深い感動があった。思わず高揚してきて、こんな事も言ってしまう。
「じゃ…読者が、ひょっとしたらルナちゃんが心変わりするかも、って勘違いしちゃうような魅力的な男性キャラを考えませんか?もちろん、最終的には、相模さんを選ぶんだけど、ぎりぎりまで迷ってしまうようなナイスガイを」
「いいですね。生の読者の意見が聞けることもなかなかないし。ちょっとやってみましょう」
笹岡は、リュックの中からノートとペンケースを取り出した。
「!そのノートに、もしかして、次回作のネームが描いてあったりとか?」
目をキラキラさせて、あゆみは、笹岡を見た。
「ダメです。いくら大杉さんでも、読者にネームは見せませんよ。企業秘密です」
ちぇっ、とあゆみは、少し落胆した。しかし、笹岡は全く気にせず、まず外見なんですが…と空いたページに、さらさらと男性キャラを描き始めた。
ぎゃー!目の前で、笹岡ユキジが絵を描いてる!あゆみのファン心理は爆発しそうになる。声をあげそうになるのを、必死の思いで止める。
それから、一時間ほどは、新しい男性キャラについて、ああでもない、こうでもない、と二人でアイデアを練りあった。
やっとキャラが八割がたできあがってきた時、店員から「そろそろ閉店なんですが…」と言われた。
我に帰って、笹岡と顔を見合わせる。帰りますか、そうしましょう、となり二人で店を出る。
「閉店です、と言われてよかった。終電逃しちゃうところでしたね」