ある日、マンガ家が落ちていて
「出会った時は、ビール党だったのになあ。あゆちゃん」
仕事を終えて、シャワーを浴びた笹岡が言った。あゆみのアドバイスもあって、ぼろぼろだったスウェットがいくらかマシになっている。
「ビールも美味しいのよ。やっぱ生ビールって最高だもん。でも、最近は、ワインも捨て難いというか…」
あゆみは、仕事が終わった後の笹岡とお酒を飲むのが大好きだ。ひと仕事終えた漫画家はいつだって輝いて見える。
「あ、冷蔵庫にもらいもののチーズが」
笹岡がそう言って立ち上がると、ソファの足元に置いたバッグに足がひっかかった。あゆみのバッグだ。中身がばらばらとこぼれる。
「あ、ごめん、ごめん」
笹岡が中身をバッグにしまおうとすると、ぴたりと動きが止まった。くくっと肩を震わせて笑っている。
「あゆちゃん、こんなのいつも持ち歩いてるの?」
さっとあゆみに見せたのは、『シュークリーム・ポップス』の第一巻だった。
「あ、そ、それは。だって、お守りなんだもん…」
「お守り?」
「そう。それにサインしてほしくて頑張ったから、今、笹岡さんと一緒にいれるの。その時の気合の入った気持を仕事にも活かしたくて。だからお守りみたいにバッグに入れてあるの」
あゆみは笹岡の手からコミックスを手に取り、表紙の次のタイトルページに書かれた笹岡のサインをうっとりと見る。
「そうだったんだ」
ソファ座るあゆみに、腰をかがめて笹岡がそっとキスをする。笹岡は小鳥のようなキスが好きだ。そういうところもあゆみの好きなところだった。
顔を離すと、笹岡が改まった顔をした。ソファテーブルの上には、いくつも高級店の紙袋が置かれていた。編集さんの差し入れや、ファンからのプレゼントまであるので、なかなか整理がつかないのだ。
その中でも小さな紙袋を引き寄せて、笹岡が言った。
「それじゃ、これもお守りに加えてくれない?」
紙袋から箱を取り出し、あゆみの目の前でぱかりと開けた。
箱の中から現れたのは、大きなダイヤの指輪だった。
「え…!」
サプライズにしては大きすぎる、とあゆみは言葉を詰まらせた。
仕事を終えて、シャワーを浴びた笹岡が言った。あゆみのアドバイスもあって、ぼろぼろだったスウェットがいくらかマシになっている。
「ビールも美味しいのよ。やっぱ生ビールって最高だもん。でも、最近は、ワインも捨て難いというか…」
あゆみは、仕事が終わった後の笹岡とお酒を飲むのが大好きだ。ひと仕事終えた漫画家はいつだって輝いて見える。
「あ、冷蔵庫にもらいもののチーズが」
笹岡がそう言って立ち上がると、ソファの足元に置いたバッグに足がひっかかった。あゆみのバッグだ。中身がばらばらとこぼれる。
「あ、ごめん、ごめん」
笹岡が中身をバッグにしまおうとすると、ぴたりと動きが止まった。くくっと肩を震わせて笑っている。
「あゆちゃん、こんなのいつも持ち歩いてるの?」
さっとあゆみに見せたのは、『シュークリーム・ポップス』の第一巻だった。
「あ、そ、それは。だって、お守りなんだもん…」
「お守り?」
「そう。それにサインしてほしくて頑張ったから、今、笹岡さんと一緒にいれるの。その時の気合の入った気持を仕事にも活かしたくて。だからお守りみたいにバッグに入れてあるの」
あゆみは笹岡の手からコミックスを手に取り、表紙の次のタイトルページに書かれた笹岡のサインをうっとりと見る。
「そうだったんだ」
ソファ座るあゆみに、腰をかがめて笹岡がそっとキスをする。笹岡は小鳥のようなキスが好きだ。そういうところもあゆみの好きなところだった。
顔を離すと、笹岡が改まった顔をした。ソファテーブルの上には、いくつも高級店の紙袋が置かれていた。編集さんの差し入れや、ファンからのプレゼントまであるので、なかなか整理がつかないのだ。
その中でも小さな紙袋を引き寄せて、笹岡が言った。
「それじゃ、これもお守りに加えてくれない?」
紙袋から箱を取り出し、あゆみの目の前でぱかりと開けた。
箱の中から現れたのは、大きなダイヤの指輪だった。
「え…!」
サプライズにしては大きすぎる、とあゆみは言葉を詰まらせた。